京セラ、差動クロック用水晶発振器の量産を開始
業界をリードする*1 30 fs位相ジッタ
AIサーバーデータ通信のための低ノイズ、低消費電力ソリューションを実現
京セラ株式会社(社長:谷本 秀夫)は、業界最高水準の低位相ジッタ30fs(フェムト秒)と低ノイズを実現した差動クロック用水晶発振器「Xシリーズ」を、2026年2026月より量産開始いたします。
差動クロック水晶発振器は、標準的なクロック水晶発振器に比べて耐ノイズ性に優れており、AIサーバーなどの高速・大容量データ通信を実現する上で重要な役割を果たします。
京セラは、今年1月に「Xシリーズ」の量産を開始し、当初は月産20万台を予定していました。生成型AIの普及とAIサーバー市場の継続的な拡大に伴う需要の高まりを受け、6月以降は月産200万台体制への増強を計画しています。この戦略的な取り組みにより、京セラは急速に拡大するAI市場のニーズに的確に対応していきます。

■開発の背景
スマートフォンなどの一般的な電子機器に搭載されているクロック用水晶発振器は、一般的にシングルエンド出力ですが、差動クロック用水晶発振器は2つの信号を生成します。受信側でこれらの信号の差を評価することで、高いノイズ耐性と安定した信号伝送を実現し、高速・長距離通信に最適です。
5Gネットワークインフラの拡大やAIデータセンターの普及拡大に伴い、ネットワーク機器やサーバーにおけるデータ通信能力の向上に対する需要が著しく高まっています。高速通信においては、ノイズやタイミングのずれがビットエラーにつながる可能性があります。そのため、信号のタイミング偏差が極めて小さい「低位相ジッタ特性」を備えた高精度差動クロック用水晶発振器の需要が高まっています。
京セラが新たに商品化した「Xシリーズ」は、業界最高水準*1の低ノイズ、位相ジッタ30fsを実現した差動クロック用水晶発振器です。
■ 主な特徴
1. 業界最高レベルの30 fs低位相ジッタを実現
30fsの位相ジッタを実現するには、高品質の水晶と先進的なICの融合が必要でした。京セラXシリーズは、独自の半導体フォトリソグラフィー、プラズマCVM製造法によるコンパクト設計、そして高性能ICの融合により、業界最高レベルの位相ジッタを実現しました。同周波数帯で動作する従来製品と比較して、Xシリーズは位相ジッタを約25%低減し、高速通信におけるエラーを大幅に低減します。
2. 従来品に比べ消費電力を約42%削減
京セラは、新型差動出力発振ICを搭載することで消費電力を大幅に削減し、AIサーバーなどの高性能コンピューティング機器の大幅な省電力化を実現しました。156.25MHz(LV-PECL出力)構成では、Xシリーズの消費電流は29mAとなり、従来製品の50mAと比較して42%の削減となります。
■主な用途
- AIサーバー
- 光トランシーバ
- ストレージアプリケーション
- 自動車用ADAS機器
■ Xシリーズ差動クロック水晶発振器:製品概要
| パッケージサイズ(mm、最大) | X X X |
| 生産現場 | 東根工場(山形県) |
| 動作温度範囲 | –40〜 + 85°C –40〜 + 105°C |
| 出力周波数範囲 | 100MHz / 125MHz / 156.25MHz / 312.5MHz |
| 出力タイプ | LV-PECL / LVDS |
| 周波数公差*2 | ±15 ppm (–40~+85°C) ±20 ppm (–40~+105°C) |
| 電源電圧 | 1.8 V / 2.5 V / 3.3 V (1.8 VはLVDS出力のみ使用可能) |
| 消費電流位相ジッタ(標準) | 29 mA (LV-PECL出力) / 156.25 MHz 14 mA (LVDS出力) / 156.25 MHz 45 mA (LV-PECL出力) / 312.5 MHz 23 mA (LVDS出力) / 312.5 MHz |
| ジッター(標準) | 40 fs / 156.25 MHz 30 fs / 312.5 MHz |
-
*2
- 初期周波数許容差 @ 25°C
- 動作温度範囲における周波数安定性
- 周波数安定性と電源電圧変動の関係
- 周波数安定性と負荷容量の変動
- 周波数経年変化(1年目 @ 25°C)
- 耐振動・耐衝撃性
■ 詳細情報
詳しくは京セラの製品紹介ページをご覧ください!
もっと詳しく知る 用語解説- 位相ジッタ: クロック水晶発振器の信号タイミングの偏差。
- 30fs: 水晶発振器の信号タイミングを表す時間単位(フェムト秒)。1 フェムト秒は 10 ~ 15 秒(1 兆分の 1 秒)です。
- ビット エラー: データの転送中または保存中に発生するデータ エラー。
参考情報
- Xシリーズの詳細:京セラウェブサイトURL: https://ele.kyocera.com/en/technical/xtal_npikcx/
- プラズマCVM製造方法: URL: https://youtu.be/cfs6DjD_gP0
